松本人志は精神疾患なのか?!『松本裁判』『遺言』書評

目次

『松本裁判』これ裁判というより精神鑑定でした

テレビはあんまり見ないんですが、松本さんの映画は好きですし、たまにテレビで見てもやっぱり面白い。

やっぱり普通の人とは感性が全然違います。

本を読んでよくわかりました。

松本人志さんが本当はどういう人なのか、さらに興味が湧く内容です。

芸人・松本人志を「告訴」する、という一風変わった設定の中で徹底分析した自叙伝的な1冊。本人の語り下ろし、医師による精神分析、そして奥田民生、PUFFY、ロンドンブーツ1号2号田村亮による証人喚問などが掲載されている。

松本さんはB型の乙女座という、私と同じ星の人なんですが、

やっぱりどうしても他人から浮いてしまうところがあります。

変人というか。

そのクセすごく繊細で周りにすごく気を使う。

気を使うから単独行動の方が楽で、でも時々寂しくなるから結局人が好きっていう、面倒臭い性格。

面白いものを作るっていうことに貪欲なので、急にふっと一人になって創作に没頭したいという。

これは志村けんさんも似てるし、ラーメンズの小林賢太郎さんもほぼこの性格です。

血液型、星座は関係ないとして。

やっぱり天才肌というか、天才なんですね。

松本裁判

本の前半が語り下ろしになってます。

その中で家族関係、特に親父さんとの関係が特異です。

親父さんに、「可愛いのは長男だけ、あとはいらん」ってはっきり言われた経験があるそうです。

子供の前でこんなこと絶対言ったらダメなことです。

親父さんもなんか少し変わっている。

親父さんと単車でめずらしく二人で出かけたんだけど、なんかよくわからないところに連れてこられて、松本さんは「自分は捨てられるんじゃないか」って恐怖を感じています。

本当なら楽しいはずのお父さんとのお出かけが、恐怖でしかなかったという。

男の子って大きくなってくると、そのうち親父をライバル視します。

松本さんの場合はそれが顕著に現れています。

早く家から出て絶対に見返したんねん!っていう、尋常じゃないパワーが生まれています。

昨年、残念ながらお父様がお亡くなりになっていますが、

その時の松本さんのTwitterでのつぶやきが非常に気になるものでした。

このつぶやきが私の胸を締めつけた。

本を読んでそれがなぜなのかようやくわかりました。

テレビを見てるだけじゃわからないけど、本はやっぱりその人を深く知ることができるから面白いです。

モンティパイソンを観たことがないという松本さん これは意外でした。

ドリフターズがかなりモンティ・パイソン的な破天荒なお笑いをやってましたから、松本さんも間接的には影響を受けていると思います。

改めて松本さんのコントを見ても、やっぱり相当近い感覚があります。

私もモンティ・パイソンは知ってましたが、最近ハマりました。

内容が風刺的で超ブラックユーモアです。

笑いが暴力的です(笑)

お笑い界のビートルズ、っていうかビートルズにも影響与えてますから。

日本語吹き替え版が絶対面白いです。

吹き替えをやっているのが 、ルパン三世(山田康雄さん)と銭形警部(納谷悟朗さん)とMr.Boo(広川太一郎さん)です。

面白くないわけがないです。

言葉のマシンガンで撃ち殺されます。

Mr.Booやジャッキー映画って、吹き替えが面白くてそれで人気が出たところもあります。

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精神鑑定の章

私はこの章が一番興味深かったです。

精神鑑定を担当するのは斎藤環さん。

主題統覚検査・絵画欲求不満テスト・彩色人格目録というのを三つの検査を実施しそれを分析しています。

中でも面白かったのが 主題統覚検査です。

様々な絵を見せてそれに答えてもらうというやつです。

一人ごっつの写真をみて一言、みたいな感じです。

  • バイオリンを前に苦悩する少年
  • 椅子にしがみついてなく女性。足下になんかが落ちている。
  • 裸の女性が横たわるベッドの横で男が腕で顔を覆って立っている
  • 誰もいない墓地で男が腰の前で手を合わせている

など19種類の図版から鑑定されます。

発想が得意で異質で、それがそのまま松本さんのお笑いになっているような、そんな連想結果を出しています。

これは松本さんの家庭環境や男女関係、人間関係などを丸裸にしてしまいます。

松本さんは分裂気質と循環気質を併せ持つ

分裂気質は破壊や切断性、もしくは知性などに関係のある死の方向性
循環気質は調和や連続性、あるいは情緒といった生の方向性

生と死の二極性の緊張感が奇跡的な笑いの想像につながる。

斎藤環さんはこの本の中で、これを「松本病」と名付けています。

松本人志はテンションが上がると憑依された感覚になる

やっぱり尋常じゃないです。

松本さんが作り出したキャラクターを演じている時に、別の人格が憑依した感覚に陥り、止められなくなるとおっしゃっています。

これはテンションが上がって脳内にアドレナリンやエンドルフィンなどの気持ちいい成分が分泌され、狂ってしまいそうになっているのだと思います。

実際ダウンタウンのコントを見ても、かなりヤバイところにいってます。

松本さんはしっかり台本も書きつつ、その場で最高潮に面白い状態へ自分を追い込んでいく、いわばアスリートタイプの芸人。

生真面目さと狂気が松本人志さんの面白さで、これはやはり天才的です。

めちゃくちゃ激怒している人を客観的に見るとめちゃくちゃ面白いとか、ウルトラマンや戦隊モノって子供は憧れるけど、大人があれを演じているというのが可笑しくてたまらないとか、料理番組の先生が実はなんかちょっと変で可笑しく見えるとか。

そういうのをネタにするのは非常に共感します。

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松本人志『遺書』書評

松本人志 遺書

『笑いに魂を売った男』松本人志さんの”遺書”を読んだ。

読もう読もうと思いなが、ダウンタウンの松本さんの本を読んだことがなかったです。

志村さんの本を読んでスイッチ入ったので読んでみました。

松本人志「遺書」感想

志村けんさんの本の中に、ダウンタウンの松本さんが志村さんについて少し書いているとあったので興味が出ました。

読んでみると共通する部分もたくさんありました。

ダウンタウンといえば、日本のお笑い界のトップと言って間違いないでしょう。

私もダウンタウンがデビューした頃は夢中になって、特に漫才が大好きでLDを持っていました。

ほんとに今と時代が違いますね、LDって!

”遺書”は1994年に発売された本なので、21年も前の本です。

半年ぐらいで22刷発行!ベストセラー。

当時の納税額が6000万円らしい。

それで芸能人長者番付2位になったそうだ。

稼いだ額の半分は持って行かれるそうです。

さんまさんも納税額が多いので、過去に「人殺しを助けるために働いてるんじゃない」と国税局に怒鳴り込んだという、有名なエピソードがあります。

金持ちは国に対してもっと怒っていいんじゃないかと思います。

『遺書』で印象に残ったところ

日本は笑いのレベルが低いから、俺のような天才の笑いは理解できない人が多い。

若い時は最優秀新人賞をよく受賞していた。一度披露したネタを同じ舞台でやることはしない。
(受賞後にもう一度ネタを披露してくださいと言われキレた)

東京進出する時、大阪のすべての仕事を打ち切り、東京の深夜番組で毎週漫才をした。大阪の芸人は2回売れないといけない。

島田紳助に弟子入りしなかったのは、弟子入りすると師匠を抜けないような気がしたから。
その後、紳助・竜介が解散した理由が「ダウンタウンには勝てないと思ったから」と公言した。紳助さんもまっちゃん同様潔い性格。

芸人はサラリーマンではない。
一人ひとりが社長。

やわらかウンコ

タクシーの運転手と口論になり
俺の番組二度と見るな!

 おもしろいやつの三大条件

ネクラ・貧乏・女好き
面白いやつはどこか冷めているやつ

修学旅行で床の間にウンコをした。
人を笑わせるためなら何だってする。

勉強ダメ、スポーツダメ
いじめられっ子、気の弱い子だった。
笑いを取るようになって自信が出てきた。

(関西ではおもろいやつは尊敬される風潮がある)

昔を懐かしんで、過去を振り返ること自体は、別に悪いことじゃないと思う。だが、過去にこだわっている奴ほど大した過去を持っていないし、未来も大したことがないような気がしてならない。

この文章、すごく構成がいい。

まず意見を肯定した後に、否定的な意見を述べる。

こうすることで読み手にストンと自分の意見を伝えることができる。

非常に頭のいい人の伝え方の例。

番組直前にゲストの占い師に「悪霊が憑いている」と言われたが、
ニッコリ笑って「そうでしょうねぇ」と言った。

常識のないお前が悪霊じゃないのか。

相手のペースに乗らない、頭のキレるまっちゃんらしい!

他人には厳しいが自分にはもっと厳しい

ADが前説で観客に「あまり面白くなくても
出来るだけ笑ってあげてくださいね〜
と言ったのにブチ切れ。

笑ってくださいねータレントでもなければ
笑われタレントでもない
笑わせタレントなのだ!

浜田雅功を、相方として大切にしている

印象が大きく変わるということはなかったです。

昔から信念があって今もそれが変わらないところがすごい。

やっぱり天才だと思ったし人を笑わせることに真剣で、プライドを持ってて誰にも負けない自信がある。

考え方がマトモで超ポジティブ。

やさしさもある。

だから面白い。

まっちゃんは辛口コメントが得意で面白い。

「悪口はスラスラ書ける。人を褒める記事は難しい」と書いています。

頭がキレるまっちゃんが書くから面白いのであって、素人が他人を批判したところで嫌味にしかならないです。

「批判は実名で、褒める時は匿名で」ってTweetしてたのも、まっちゃんだったと思う。

貧乏だったけどそれが反骨精神になった。

吉本に行くのを親父さんに反対されたそうですが、「それがよかった」と書いている。

成功する人は考え方がポジティブ。 

松本人志には映画監督の才能なし?

『大日本人』はおもしろいのか?

これは笑うための映画ではないのかもしれない。

ずいぶん前に観てバカ笑いするほどおもしろかったという印象がなかった。

「いったいあの作品はなんだったんだろう?」

そんな疑問が次第に膨れ上がっていたのでもう一度観てみることにしたのだ。

映画はドキュメンタリー風に進んで行く。

「大日本人」ってなんだ?

この人は誰なんだ?

なんなんだ?

疑問は膨らむばかりだ。

映画をもう一度観てみることにした。

  • UAのストキングがすごい
  • というかUAさんが結構出ている
  • 大日本人は紫の服が好き(まっちゃんはプリンスのコンサートに行ったことがあるらしい)
  • 世界で巨人はほんとうに存在していたという説はほんとうなのか?
  • 巨人は存在したというリアリティ
  • 板尾創路さんの怪獣とのやりとりがじわる
  • きもかわいいムフフな世界
  • CGから実写になった時がヤバい
  • 実写がひたすらヤバい
  • 巨大になってもやってることは殴り合い
  • 服ビリビリ
  • パンツは一発で破け

やっぱり面白かった。

ムフフな笑い。

大笑いじゃなく、ムフフって笑ってしまう。

普通の感性では作れないことは確か。

この映画を文字で伝えるなんて無理。

この映画はめちゃくちゃ面白いという人もいるだろうし、

全然面白くないという人もいるだろう。

出演:松本人志, 出演:神木隆之介, 出演:竹内力, 出演:UA, 出演:板尾創路, 監督:松本人志
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内面的には『しんぼる』の方が面白かったかもしれない。

でもこれもよくわからない映画である。

「笑いのレベルが低い奴は観るな!」とまっちゃんに怒られそうでもある。

出演:松本人志, 監督:松本人志
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まとめ

※この記事は本の感想であって、松本さんの面白さを解説したものではありません。

文章にして伝えるなんて、そんなんは無理やと思います。

※昔、松本人志さんの本を読んだ感想を書いた記事があったのを思い出して復刻してみた。

事実は当人たちにしかわかりませんが、女性問題に関してはきっちり事実を明かして欲しいと思います。

奇しくも松本人志さんは本当に裁判を行うことになってしまった。

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