運転中のハンズフリー通話と法律の関係
日本では、道路交通法第70条および第71条により、運転中の携帯電話等の使用が規制されています。
2019年の道路交通法改正により、運転中の携帯電話使用に対する罰則が強化されました。
事故を起こした場合や危険行為が認められた場合は、さらに重い罰則(罰金や懲役)が科される可能性があります。
ハンズフリー通話は合法ですが、通話による注意力低下を防ぐため、可能な限り通話を控えることが推奨されます。
具体的には、以下の点が重要です。
ハンドヘルド通話の禁止
ハンドヘルド通話とは、携帯電話を手で持って通話することです。
これは明らかに違反になります。
- 携帯電話を手に持って通話することは禁止されています(道路交通法第71条第5号の5)。
- 違反した場合、普通車で6,000円の反則金(2023年時点)および違反点数1点が科されます。
ハンズフリー通話の扱い
ハンズフリー通話とは、イヤホンや車のスピーカーで、携帯電話を持たずに通話することです。
この場合、違法になるケースと違法にならないケースがあるので気をつけなければいけません。
- ハンズフリー装置(Bluetoothイヤホン、車載スピーカーなど)を使用した通話は、手に携帯電話を持たない限り違法ではありません。
- ハンズフリー通話中であっても、運転に支障を及ぼす場合(例:注意力散漫)は、「安全運転義務違反」(道路交通法第70条)に該当する可能性があります。この場合、状況次第で違反となることがあります。
画面注視の禁止
- 携帯電話やスマートフォンの画面を注視することも禁止されています(道路交通法第71条第5号の5)。ハンズフリー通話中でも、画面操作や注視は違反となります。
- 違反した場合、反則金6,000円および違反点数1点。
ハンズフリー通話であっても、画面を注視する時間が長いと違法になる場合があるので気をつけましょう。
ハンズフリーが許可される状況とは?
手で携帯電話を操作せずに通話する場合。
ハンズフリー通話は、道路交通法第71条第5号の5で規制される「携帯電話を手で保持しての通話や画面注視」に該当しない場合に許可されます。
- 手に携帯電話を持たない、操作をしない
- 画面を注視しない
- 安全運転義務を果たしている
ハンズフリー通話を利用するメリット
安全運転をサポートする機能
運転中の効率的なコミュニケーション
おすすめのハンズフリー機器
都道府県による独自の運用と条例
日本において、運転中のハンズフリー通話そのものを全面的に禁止する都道府県は存在しません。
道路交通法(第71条第5号の5)は全国一律で適用され、携帯電話を手に持っての通話や画面注視を禁止していますが、ハンズフリー通話(Bluetoothイヤホンや車載スピーカーなどを使用)は合法とされています。
両耳イヤホンの制限
一部の都道府県では、運転中に両耳でイヤホンを使用することを規制する条例や道路交通規則が存在します。
これは、ハンズフリー通話に使用するイヤホンが両耳を塞ぐ場合、周囲の音(緊急車両のサイレンなど)が聞こえにくくなり、安全運転を妨げる可能性があるためです。
- 例: 東京都道路交通規則第8条では、両耳にイヤホンを装着して運転することを禁止しています。違反した場合、軽微な違反として扱われますが、取り締まりの対象となる可能性があります。
- 他の都道府県でも同様の規則を持つ場合があります(例: 神奈川県、愛知県など)。具体的な規制は各都道府県の公安委員会が定める道路交通規則を確認する必要があります。
香川県の誤解
一部情報(例: Xの投稿)で香川県がハンズフリー通話を禁止しているとされる言及がありますが、これは正確ではありません。
香川県公安委員会規則でも、ハンズフリー通話の全面禁止は定められていません。
ただし、香川県では両耳イヤホン使用や注意力散漫に対する取り締まりが厳しい地域として知られることがあり、誤解が生じた可能性があります。
運転中にハンズフリー通話を使う際の注意点
ハンズフリー通話中に注意力散漫になると『ながら運転』と見なされるケースがあり、この場合は違法となります。
ながら運転との違い
ながら運転とは、運転中に携帯電話の使用(通話、画面注視、操作)やその他の行為(飲食、喫煙、読書など)を行い、運転に必要な注意力や操作能力を欠く行為全般を指します。
携帯電話以外にも、運転中にカーナビを長時間操作したり、飲食や化粧をしたりする行為も「ながら運転」に該当する可能性があります。
例えば、運転中にスマートフォンでメッセージを打ったり、動画を見たりする行動です。
ハンズフリー通話は違法ではありませんが、ながら運転となる行為も起こしがちなので、十分気をつける必要があります。
カーナビ操作で違法となるケース
「運転中にカーナビの操作なんて違法になるわけない」と思っているなら大きな誤解です。
カーナビの操作も気をつけないと違法とみなされる場合があります。
運転中のカーナビ操作は、道路交通法第71条第5号の5に基づき規制されています。
この条文は、携帯電話やスマートフォンなどの「無線通話装置」および「画像表示用装置」の使用に関する違反を定めています。
カーナビは「画像表示用装置」に該当するため、以下の行為が違反となります。
- 運転中にカーナビの画面を注視する(例: 長時間見つめる)。
- カーナビを手で操作する(例: 目的地入力、ルート変更、画面スクロール)。
- これらの行為が運転の安全を妨げると判断された場合。
カーナビの操作で違法にならないケースは?
- 停車中または駐車中の操作:車両が完全に停止している状態(駐車または停車中)でカーナビを操作する場合、道路交通法に違反しません。運転中でないため、画面注視や操作による違反の対象外です。
- 音声操作:カーナビが音声認識機能を備えており、運転中に画面を注視したり手を離したりせずに操作できる場合、違法にはなりません。ただし、音声操作に気を取られて運転に支障が出ると、注意力散漫として違反になる可能性があるため注意が必要です。
- 同乗者による操作:運転者以外の同乗者(助手席の乗客など)がカーナビを操作する場合、運転者が操作していないため違法にはなりません。
- 自動表示や簡易確認:カーナビの画面が自動的に地図や案内を表示しており、運転者が一瞬(1~2秒程度)確認する程度であれば、通常は「注視」に該当せず違法とみなされにくいです。ただし、長時間の注視は違反(道路交通法第71条の5第6号)に該当します。
安全のため、運転中のカーナビ操作は避け、必要なら停車するか同乗者に任せるのがベストです。
まとめ
ハンズフリー通話が許可されていても、道路交通法第70条の「安全運転義務」を遵守する必要があります。
通話中も周囲の状況に十分注意し、運転に影響を与えないよう心がけるべきです。
車の運転中はできるだけ通話しないのがベストなので、スマホのハンズフリー設定をオフにすることも考えましょう。
また、運転中のカーナビの操作もスマホの扱いと似ているため、運転中はカーナビの操作をせず、完全に停車中に行いましょう。

自転車のながら運転も、2026年の4月から厳しくなるので注意しましょう!